銀座ギャラリーSTAGE-1様の、 「かお・顔・KAO展」に出展させていただいた作品です。
3作品とも、オリジナルの新作です。

『思慮』
シャープペンシルのみで描きました。 大半はHBの0.3ミリで、部分的に0.5も使っています。
最初は、前回のエルフの絵のようなタッチを考えていて、 シャープペンシルで描き込んでから着色するつもりでしたが、 モノトーンでの濃淡が気に入って、そのまま仕上げることにしました。

ティッシュや指でのぼかしは、一切していません。 以前、指でぼかしたら綺麗になるかと思いきや、 綺麗になりすぎて、単調でつまらないタッチになってしまったことがあります。 この作品では、こすらないように細心の注意を払いました。 紙と触れるか触れないかの筆圧で、できるだけなめらかに、 肌の陰影を重ねていくのは楽しかったです! 無心になって描けた作品です。

『天文学の夜明け』
額が気に入って、額から絵の着想を得た作品です。 地動説を確信した瞬間の表情をテーマにしました。
耳飾りは、コペルニクスが肖像画で持っているアイテムより。 服装はコペルニクスとガリレオの肖像画を参考に、 背景はアンドレアス・セラリウスの星図風です。 具体的に誰の肖像、というわけではなく、 ちょっとファンタジー風に絵の中で再構築しました。
写真ではちょっと分かりにくいですが、 目をまず見て欲しくて、絵の中で一番鮮やかな色を、瞳に使っています。 空を見上げているような、少し上を向いた視線が、 地動説の先の未来も見つめているように見えたら嬉しいです。

『野心』
顔がテーマの展示ということで、今回は表情を描こうと思って、 タイトルから先に決めた作品です。
高い地位ではあるものの、現状に不満があり、 ボスを倒して、いつかは自分がトップに立ってやろうという、 内に秘めた強い思いを描きたかったです。
…って、これ、『聖闘士☆矢』で大好きな某キャラの設定、殆どそのままです。 あの顔に一目惚れしたのに、アニメ内ですぐに死んでしまって、 自分で描かないと会うことができず模写していたのが、現在の絵柄の原点です。 とにかくもう一度、萌えられる顔に出会いたくて、 理想だと思える顔を描きたくて、 流行の絵柄と真逆の方向性でも気にせず、 ただひたすらに、自分のためだけに追及してきました。
今回は二次創作ではなく、内面だけをお借りしてオリジナルで描きましたが、 あのキャラが原点ということを反映させて、 瞳孔を黒ではなく、瞳と同系色の青で塗っています(詳しくはコラム3参照)。

ちなみに、シャープペンシル画の『思慮』でも、 目ががある程度目立つように、敢えてあまり描き込まないようにしました。 絵によって描き方をちょっとずつ変えています。
ギャラリーでは、こんな感じで展示されていました。

『天文学の夜明け』が一番上で、顔を上げて絵を見上げると、 絵の中の人物が更に上を見上げているのが、なんとも気に入りました。 飾り方もまた、絵を引き立ててくれるのですね。
今回もおかげさまで、収穫の多い展示となりました。 ギャラリーSTAGE-1様、作家の皆様、お越しくださった皆様、 大変ありがとうございました!
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